俺達は、次の仲間を誘うために玄関に設置されている赤い公衆電話から、特殊部隊メンバーの剣マシン(つろぎましん)に電話をかけた。
「おおお怪事件!・・・やるやる!!今日は暇してたのよぉぉ?・・・今すぐ行くから。」
 剣は、あっさりOKした。いつも退屈している連中だから、何にでも食らいつく・・・そんな奴等。
 会話が終わり受話器を本体に戻す時、すぐ隣に飛鳥とは違う気配を感じる。その方向に目をやると、そこには、今、電話で話をしていた剣が立っていた。
「ハロー。ざくろ&飛鳥。」



「相変わらず、速え〜な。」
「これが俺のチャームポイント。」
 剣の家からこの寮までは、約500mの距離がある。その距離を受話器を戻す数秒の時間でコイツは移動してきたことになる。
 剣には特殊な能力があった。それは『瞬走』。DNA手術により『DMAN』と呼ばれる独特な能力を得た人物(親)から産まれた子供(2世)で、世の中では、そういう人物を『DJr(DMAN.Jr)』と呼ぶ。剣はその『DMAN』の、能力を受け継いだ『DJr』だ。もちろんこの特殊な能力があるから、救護団に所属している訳。
・・・これで、3人。
 4人目、5人目が寮に到着したのは、それから30分後だった。扉を叩くノックの音が聞こえ、そして、2mの大男と、160cmの小柄な男が入って来た。
 大きな方が名前を牙京雅(がきょうみやび)と言い、小さい方は快物太郎(かいぶつたろう)と言う。



 これで俺を含めて5人の仲間。兼、黒金校救護団・特殊部隊がそろった訳だ。
『黒金校救護団・特殊部隊』 終
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