地面に倒れ込んだ二つ頭の犬は、バタバタともがいている。ざくろは、すぐに僕の方へ戻ってきて、
「太郎!! 行け!!」
 と叫んだ。僕はすぐに両腕を振り上げて、そしてワープドッグ目掛け手を伸ばす。5m程の位置に横たわる犬を、僕は鷲掴みにして押え込んだ。ワープドッグを押え込み、身動きが取れなくすれば、瞬間移動のプロセスが出来ない。 僕の両腕でワープドッグをぐるぐる巻にして、そのまま引き寄せる。瞬間移動が出来なくても狂暴な犬には変わりない。引き寄せる僕目掛け、ワープドックは二つの口を大きく開いていた。ここで、僕の『DMAN』としての第2の能力『顔変化』のお披露目。
 僕は顔を左右に素早く振って、百獣の王『ライオン』に顔を変化させ、そこで一喝、
「ぐわぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 と、凄んで見せた。そしたら、ワープドックはあっけなく僕の腕の中で目を廻して気絶してしまった。



 そして、気絶した犬を近くの交番に運んで『ミルク失踪事件+ワープドッグ退治』は無事、任務終了となった訳です。 以上。









『ケルベロスなのかよ?!』 終
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