道路を横切る女性7人の審査結果が出た時点で、開始1時間くらいが、経過していた。店に入ってからは約2時間。「ま、暇を潰せたしそろそろ帰ろうか。」と言う雰囲気になって来たところで、剣が大声を上げた。
「さぁぁぁて、最後のシンキングにふさわしい女子が登場!! 行ってみましょうかぁぁ。」
 そう言って、剣は腹黒い考えを持ってそうな満面の笑みで、窓の外の女性を指差した。そこには、俺的にとんでもない人が歩いている。その人は、C組の石橋圭子さん。



「なんだよ、石橋じゃん。アイツ胸ちっちぇーから、27点。」
「ぼ・・・僕は・・・55点くらいで良いかな?飛鳥?」
「43・・・。」
 ざくろ、太郎、雅は、そういう点数を出した。
「俺は、あの子『あっさりフェイス』だから、30点。・・・さぁ、飛鳥君は何点を出すのでしょうね〜。???」
 剣は、ニタニタ笑いながら俺の顔を見つめている。他の3人も同じように・・・。
「100万点に決まっとろうがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 4人は、一斉に「おぉ〜」と言いながら、拍手をした。すっごくムカツク。
 ・・・そう、実はこの俺、C組の石橋圭子さんの事が好きで、何度かこいつらに話をした事がある。質素で、あっさりフェイスで、笑顔が凄く素敵で、成績優秀で、俺とは全くと言っていいほど釣り合わないから『告白』なんて、出来る訳が無い。いつもただ遠くから見てるだけだ。そんな俺の純粋でピュアな気持ちを、コイツ等はもてあそびやがって、超ムカツクぜ。
「凄い結果がでました。C組の石橋は、100万飛んで155点でございます〜。」
「冷やかすのも、いい加減にせろよ。こんボケがぁぁぁ。」
 俺の怒りは、頂点に達し、剣の胸座を掴んだ。
「古人曰く、人の恋路を邪魔するやつは馬に蹴られて死んじまえぇぇ」
 喫茶店の一角で、ギャーギャー喚いている俺等を、他の客は、「またか。」と言った表情で眺めている。原因は何であれ、結構俺達ここで、暴れているらしい。当の本人達は気付いてないけど・・・。
 雅が、俺と剣の襟首を掴んで別れさせ、太郎が「まあまあ。」と中に入る。ざくろは、相変わらずケーキを食っていた。
「お前が奥手だから、こっちも冷やかしたくもなるんだぜ。何かあるなら協力するって、いつも言ってんべ。お前が動かないから、石橋、あんな風に変な男達にナンパされるんだよ。」
 剣がそう言って指差した方向には、3人の変な男達にナンパされている石橋さんがいた。
「はぁぁぁぁぁぁぁ?!」

『100万点の美女やろもん!』 終
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