20人程の男達は、胸に『深田』と刺繍されたキラキラ光るピンクのハッピを着て、頭にも同色で『LOVE』と刺繍したハチマキをしている。…ただ単に『アイドルヲタク』じゃん。
 でも、そいつらが手にしているものは、ダサメガホンとかじゃなく、米軍払い下げの 『F30PG7追尾式ロケットランチャー』や『スーパーゲルマ砲SW263』、はたまた、『小型ナパーム砲』などなど、戦う気満々の武器ばかり。…でも、部隊名が『EZライダー』とは、かなりダサダサしい。ちなみに、この『EZライダー』は、深田笑子ちゃんのファーストシングルの題名。
「今一度審議のやり直しを行い、この茶番劇を価値あるものに変える事を、我々は武器を持ち強く訴える!!」
 おいおい…。武器持って訴えたら、脅迫じゃん。…つまりコイツ等は、大好きな深田笑子ちゃんが、グランプリにならないって事に腹を立てて、ここに乗り込んで来たと言う事。そ〜ゆ〜訳ね。
 まぁ、変な理由にしろ何にしろ、俺達の広末響子ちゃんが『ランチャー』や『ゲルマ砲』の危険にさらされているのは間違い無い。
「ざくろ〜。どうします〜?」
 俺がざくろに聞くと、
「行くしかないっしょ。」
 と、答えた時、またやっかいな事が起こる。
 ぼぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん
 次は、もう1つの入り口の扉が吹き飛んだ。『EZライダー』が吹き飛ばした入り口から、こっちの入り口までの距離は、約50m。俺達は、コイツ等の仲間がまたやったのだと思っていたけど、吹き飛んだ二枚目の入り口から入ってきた男達は、キラキラ光るグリーンのハッピにグリーンのハチマキ。胸には『空香』と刺繍されている。
「我々は、空香倶楽部特別普及チーム『笑顔が好き』!!。我々も審議のやり直しを求める!!」
 やれやれ。いくらFANだからと言って、ここまでする事無いだろう。俺達はあきれて大きくため息をついた。ちなみに『笑顔が好き』は、空香ちゃんがデビュー当時、献血のCMで言った有名な台詞。この年の流行語大賞にも選ばれた。俺もミーハーだなぁ。



 …とにかく、こんな40人近くのとんでもない武装をしたヲタク達と俺達、怪物少年の戦いの幕が切って落とされる。
 …って、ページもう無いじゃん!!???…え?どうするの?これで終わり?うそ〜。最後まで書かせてよぉ。
『本気で戦う5秒前』 終
前に戻る つづく