道端で、小さな少女が泣いていた。
 盲目の雅は、その気配に気付き…そして、ビルの間を空に上る風船を感じ取った。
雅は空に手を伸ばし、高く飛び上がり風船を引き寄せる。
 そして、少女の目の前でしゃがみ、「はい。」と言って手渡した。
「おにいちゃん。ありがとう。」
 心のレンズを常に磨きつづける盲目の男。…牙京雅。








『某は、父を越えたかった…。』 終
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