FILE.03 えんだぁぁ〜うぇあぁぁ〜
 はぁぁ〜い。『瞬足の貴公子』剣マシンだよ。こんなにめちゃめちゃ特徴のあるカッコイイ青年を間違えないように、よろしく頼むよ。・・・と、まぁ、前振りはさて置き、今回は俺が担当する事になった。
 君達は覚えているかい?牙京の雅君がテレビ出演した日の事を・・・。とんでもないドッキリを仕掛けられたあの日の出来事。しかも、スーパートップアイドル広末響子ちゃんと共演まで出来て羨ましい限りだ。結局、俺と太郎は広末響子ちゃんに逢う事すら出来なかったけど、でも、でも、あの話しには続きがあった。・・・と言うか、ある。
 その後、雅は響子ちゃんと電話やE-MAILなどで、たまに連絡を取り合ってて、この前なんて、雅のこ汚い道場にまで訪問してくださったらしい。そこで交わされた話しを雅は俺達に聞かせてくれた。
「広末殿が、我々にボディーガードをお願いしたい。と、言っておられるのだが・・・。」
 俺達5人が、ざくろの家でたむろってる時、雅はそんな話しを切り出した。
 ボ・・・『ボディーガード』。ホイットニーの「えんだぁぁ〜うぇあぁぁ〜」ってやつだ。しかも、めちゃめちゃ可愛い広末響子ちゃんが直々に俺達にボディーガードを依頼して来た。これってもう、断る理由なんて無いっしょ。俺はすぐさまOKを出し、リーダーのざくろも、
「最近、ガキ相手で、ハツラツエキスが欲しかったところだ。」
 と言って賛成し、太郎も飛鳥も賛同してくれた。5人組のケビン・コスナーって感じだね。
 後日、俺達の住む横浜から電車で1時間程の南青山にある。広末響子ちゃんの事務所へと向かった。マネージャーさんから、俺達にいろいろ話があるそうだ。もちろん響子ちゃんも一緒。俺にしてみれば初対面の記念すべき日。気合入れていかなきゃね。
 響子ちゃんの事務所はユニハイツっていうビルの7階にある有限会社『ブロス』。やっぱりここは雅がドアを開けるべきだと、仲間の意見は一致し、雅がドアを開ける。
 何だか、トレンディードラマのシーンに使われそうな綺麗な事務所で、5.6人の従業員らしい人が机で電話したり、書き物をしたりしていた。『〜している。』と書かないのは、俺達が事務所に入るなり、従業員風の人達の手が止まったんだ。…まぁ分からないでもないけど、いきなり短ラン、長ラン姿で、金髪、赤髪、灰色髪の連中が入って来たんだから仕方が無い。ちなみに雅は『黒髪』。太郎は『茶髪』で、そう珍しくも無いけどね。・・・と、まぁ、俺達があいさつをして振り向いてくれる時間は短縮されたわけだ。
「あのぉ〜。俺達、広末響子に呼ばれて来たんだけど・・・。」
 ざくろが、事務所にいる人達に話しかけた。

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